「地上最強の空手」といわれる極真空手。その創始者は、ゴッドハンド(神の手)と異名をとった大山倍達総裁(1994年没)です。大山総裁は1923 (大正12) 年生まれ。少年時代から空手を学び始め、1947 (昭和22) 年に京都で開かれた戦後初の全日本空手道選手権大会で優勝。生涯を空手の道に捧げることを決意し、千葉県の清澄山で約1 年半の山こもり修行を行ったり、素手で猛牛と対決して牛を倒し「牛殺しの大山」と呼ばれるようになりました。1952 (昭和27) 年から約1 年間にわたりアメリカへ。全米各地で空手の指導、演武を行ったほか、プロレスラーなどと真剣勝負を繰り広げ7戦全勝。手刀でコーラ瓶を何本も切る姿を見てアメリカ人たちが「God Hand! 」と驚きの声を上げたことから「ゴッドハンド」と異名をとるようになりました。帰国後、大山総裁は東京都内に大山道場を開きました。これが現在の極真会館の前身です。1964(昭和39) 年に国際空手道連盟極真会館を発足させました。大山総裁は実際に攻撃を相手の体に当てて勝敗を競う直接打撃制ルールによる試合を提唱。手による顔面への攻撃や金的への攻撃を禁じるなど、安全性を考慮した上で実戦性を追求したルールを採用し、1966 (昭和4 1) 年に第1 回オープントーナメント全日本空手道選手権大会を開きました。選手たちが繰り広げる真剣勝負の醍醐味に多くの人たちが魅了され、その実戦性の高さを支持するようになり、大山総裁が提唱した直接打撃制ルールによる空手大会は現在、世界中で開催されるようになっています。その生涯を空手道に捧げた大山倍達総裁。武道空手として常に実戦性を重んじてきた極真空手の実戦主義は世界中に広がり、国内l 01 支部・約5 万人、世界170支部・約80万人の道場生たちが各地の道場や試合場で日々「地上最強の空手」を目指して心技体に磨きをかけています。
わたしたちが、空手を修行する目的は、自分自身の体と心をきたえることにあり、真剣にけいこに打ち込むことで、どんなことにも動じない心と強い意志を習得して行かなければならない。
わたしたちは、武道としての空手の道を徹底的に追求していくことで、どんな状況でも臨機応変に対応する力と相手の心を理解する思いやりや優しさ、どんなことにも素直に感動できる心を身につけなければならない。
わたしたちは、自分自身を飾ることなく、真面目で素直に空手の修行に打ち込むことによって、自分自身に打ち勝つ強い心を養っていくことを心がけなければならない。
わたしたちは、礼儀を身につけ、目上の人を敬い、人前で空手の力を誇示するような行動をとってはならない。
わたしたちは人間の力が及ばない自然や宇宙の摂理を重んじ、神や仏を敬い、相手のことを大切にし自分を謙遜する態度を忘れてはならない。
わたしたちは、空手の修行によって知性と体力を向上させ、どんな状況でもあせらず、冷静に対処できるようにならなければならない。
武道としての空手の修行は、一生かけて追い求めるものであり、一生を通じて極意に一歩でも近づこうとする姿勢、それが極真空手の本義である。